賃貸経営の出口戦略:売却後の次の一手は?

賃貸経営の出口戦略:売却後の次の一手は?

賃貸経営の成功には売却益を迅速に再投資することも重要

賃貸経営の出口戦略においては、「売却益をどのように活用するか」を考慮した上で、売却を実行することが重要です。

「売却益の活用方法は、後で考えればよい」とお考えのオーナー様もいらっしゃるかもしれません。

しかし、売却後に資金の活用方法を考えると、その間、資金を超低金利の預金で眠らせてしまう可能性があります。

最近のようにインフレが強まっている時期に資産運用の空白期間を作ってしまうと、資産が目減りする可能性があります。

特に、まとまった売却益をそのままにしておくと損失が大きくなりやすいため、迅速に再投資することが非常に重要です。

理想的には、物件の売却活動を始める前後のタイミングで再投資の方法を決めておくことです。

これにより、売却で得た資金を効率的に運用することが可能となります。

不動産に再投資した場合の3つのメリット

賃貸物件を売却して得た資金を運用する主な方法には、賃貸経営(不動産投資)、株式、投資信託、預金、日本国債などがあります。

それぞれのメリットとデメリットを理解して、リスク許容度や投資目標に合った運用方法を選ぶことが重要です。

例えば、不動産に再投資した場合のメリットとして、次の3つが挙げられます。

一方で、賃貸経営には、「まとまった資金が必要」というデメリットもあります。

しかし、十分な売却益を得ている場合、この点はあまり問題にならないかもしれません。

また、空室リスクというデメリットもありますが、信頼できる管理会社に委託することでリスクを軽減することが可能です。

株式や投資信託は、リターンを狙いやすいメリットがありますが、市場が暴落した際に大きな損失を被る可能性があります。

預金や日本国債には、元本を守りやすいメリットがありますが、リターンが低く、物価上昇率を下回る可能性があります。

賃貸経営に再投資するなら、物件のタイプを選び直すことも重要

運用方法を比較した上で「賃貸経営に再投資する」と判断した場合、物件のタイプを適切に選ぶことも重要です。

物件の主なタイプには、マンション、アパート、一戸建てなどがあります。

それぞれの特徴と直近の需要を考慮して慎重に選びましょう。

よくある失敗は、これまで所有していた物件と同じタイプを深く考えずに選んでしまうことです。

例えば、これまでアパートを所有していて、それを売却して利益を得た場合、ついアパートに再投資してしまいがちです。

しかし、以前に物件を購入したときとは不動産市場や需要が大きく変化している可能性もあります。

そのため、過去の成功体験を一度リセットして、物件のタイプを選び直すのが賢明です。

「どの物件タイプの需要が強いか」は、選択したエリアと取得タイミングによって異なります。

信頼できる不動産会社のデータやアドバイスなどを参考にしながら、慎重に検討することが重要です。

事業用資産の買換え特例を使う場合は税理士に相談を

売却益を賃貸経営に再投資する際に、「事業用資産の買換えの特例」の利用を検討するオーナー様もいらっしゃるかもしれません。

この特例は、所有していた事業用不動産を売却し、一定期間内に新たな事業用不動産を購入した場合、売却金額の20%のみが課税対象となる制度です。

残りの80%は非課税となるため、「利用したほうが得」と判断するケースも多いのではないでしょうか。

しかし、この特例を利用すると、買換えた建物の減価償却費として計上できるのは20%に限られるという制約があります。

その結果、「特例を利用した方が損」というケースもあります。

そのため、「事業用資産の買換えの特例」を利用する際は税理士に相談し、慎重に判断することが重要です。

買換えを機にポートフォリオの見直しで収益性の向上を狙う

複数の物件を所有している場合、ポートフォリオを見直して全体の利益率を高めるために、一部の物件を売却することもあるかと思います。

その際、空室リスクを軽減することを重視するのであれば、所有している物件とは異なるエリアの物件を選ぶことが有効です。

例えば、現在、東京23区の物件を中心にポートフォリオを組んでいる場合、千葉や埼玉など東京以外の首都圏の物件を選ぶ、あるいは関西圏など他の経済圏の物件を購入するという選択肢があります。

大地震のリスクを軽減するためには、所有物件を広範囲に分散させることがリスクヘッジになりますが、その一方で物件の管理に手間がかかる可能性があります。

具体的な分散方法については、不動産会社の助言を参考にして決めるのが良いでしょう。

売却と買換えを同じ不動産会社に依頼すると効率的

賃貸経営で売却と買換えをほぼ同時期に行う際には、「複数の不動産会社に依頼する」または「1社の不動産に依頼する」という2つの方法があります。

このうち、1社の不動産会社に依頼する場合のメリットは次の3つです。

1つ目のメリットは、売却と買換えをスムーズに進めやすいことです。

これは、同じ不動産会社が売却と買換えの両方を担当することで、情報共有がスムーズになり、意思疎通がしやすくなるためです。

2つ目は、契約に必要な書類の管理を1社でまとめられるため、煩雑な手続きを簡略化しやすいという点です。

そして3つ目は、売却から買換えまでの様々な悩みや問題をサポートしてもらいやすいことです。

例えば、売却を優先して進めたい場合、つなぎ融資の相談に応じてもらえることもあります。

このように、売却と買換えを同じ不動産会社に依頼することで恩恵を受けることができます。

しかし、1社に依存しすぎると、売却価格が割安になったり、購入価格が割高になったりする可能性があります。

そのため、価格の妥当性を確認する必要があるでしょう。

売却で成功するには、目的に合ったタイプの不動産会社を選ぶことも大事です。

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この記事の監修者

谷 和範

谷 和範(株式会社さくら不動産 代表取締役社長)

  • 宅地建物取引士/
  • 賃貸不動産経営管理士/
  • おうち売却の達人

大手不動産フランチャイズチェーンに19年間勤務後、株式会社さくら不動産を創業する。現在SUMiTAS北見店を運営。対応分野は、不動産売却・住み替え・相続・賃貸・管理・不動産コンサル。対応エリアは北見市、網走市、美幌町。

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