売却に着手する前に物件の現状認識から始めよう
賃貸物件を売却する際、まず取り掛かりたいのは、その物件が売却しやすいかどうかの「現状認識」です。
「売却しやすい」と判断した場合、物件情報を公開すればすぐに買い手が見つかる可能性が高いため、迅速に売り出すことが重要です。
逆に、「売却に苦労する」と判断する場合、物件情報を公開する前に仲介会社の選定や価格設定の精査などの綿密な段取りが必要です。
賃貸物件を売却しやすいかどうかを判断するための材料として、以下の項目が挙げられます。
- 立地条件:物件が所在するエリアの売買需要
- 市場動向:不動産市場の動向
- 建物の状態:築年数やメンテナンスの状態
- 家賃収入:現在の家賃設定と稼働率
- 周辺環境:学校、病院、商業施設などの利便性
- 法的条件:物件に関する法的な制約や規制
- 競合物件:同一エリアの競合物件の状況
- 経済状況:金利や経済全体の動向
これらの要素を総合的に考慮することで、「売却のしやすさ」を判断することができます。

売却に強い仲介会社を選ぶために注目したいポイント
先述のように、「売却に苦労する」と予想される物件においては、仲介会社選びがとても重要です。
なぜなら、売却に強い仲介会社に依頼することで、契約の確率が上がり、契約までの期間を短縮できるからです。
また、「売却しやすい」と予想される物件でも、優秀な仲介会社を選ぶことで、より早く、より高い価格で物件を売却しやすくなります。
売却に強い仲介会社を選ぶためのポイントは、以下の通りです。
①管理専門の部署を持っている
物件管理や入居者管理の部署(グループ会社を含む)を持つ仲介会社は、日頃から多くのオーナー様とコミュニケーションを取っています。その中に中古物件を探しているオーナー様がいれば、迅速にマッチングを行うことが可能です。
面談時に管理を行う部署の有無を確認しましょう。
②好立地に店舗を持っている
駅前や人通りの多い路面店など、好立地に店舗を持っている仲介会社は、多くの人と接する機会があり、賃貸物件を探している見込み顧客を抱えている可能性があります。
③情報発信力がある
その仲介会社が情報発信力を持っているかも重要です。
賃貸物件の情報が数多くの潜在顧客に届くほど、売却できる可能性が高まります。
注目すべきポイントは、「お客様にメルマガやセールスレターを定期的に送っているか」「営業でインターネットやSNSを活用しているか」などです。
④業界内のネットワークがある
他の仲介会社との協力関係や、自社の他店舗との連携など、業界内のネットワークを持っているかも重要です。
多くの潜在顧客にアクセスできることは、売却の成功に大きく寄与します。
どのようなネットワークがあるかヒアリングしてみましょう。
これらのポイントを考慮することで、信頼できる仲介会社を選び、物件をより有利な条件で売却することが可能になります。
媒介契約書の説明を受ける日時を早めに設定する
不動産の売却活動は、通常、売主と仲介会社が「媒介契約」を交わしてから始まります。
この媒介契約の締結に時間がかかると、その分だけ賃貸物件の公開が遅れてしまいます。
一般的に、媒介契約は書面(媒介契約書)を売主に交付して説明した上で締結します。
仲介会社から媒介契約書の説明を打診された際は、できるだけ早い日時で設定することが望ましいです。
媒介契約書は、国土交通省や各仲介会社が所属する協会のひな形に沿った形式であれば、常識的な内容になっていることが多いです。
契約内容をしっかり把握することを確認することは重要ですが、確認に時間をかけすぎることは得策ではありません。
もし、媒介契約の説明や書面で不明点があれば、担当者に遠慮なく質問して、その場で疑問を解消しましょう。
物件の画像や登記簿謄本などを準備しておくと有利
媒介契約の締結後、売却する賃貸物件の情報は、仲介会社の店舗やWebサイト、不動産のポータルサイトなどで発信されます。
この物件情報を発信するにあたり、仲介会社の担当者は物件の画像を用意したり、物件概要を整理したりする必要があります。
一方で、繁忙期には他の案件に忙殺されたり、社内の人的リソースが不足していたりすると、物件の撮影や情報の整理が遅れ、情報の公開に影響がある可能性があります。
このタイムラグをなくすために、物件の画像データ(外観や内観、周辺環境など)や登記簿謄本のコピーなどをあらかじめ用意しておくと、担当者の負担が減り、売り出しがスムーズにできます。
とはいっても、画像や情報を用意するのは、あくまで仲介会社の役目です。
オーナー様が無理に用意をする必要はありません。
可能な範囲で対応しましょう。
指し値交渉があることを前提に売却計画を立てよう
賃貸物件を売り出した際には、希望する価格よりも低い価格で買付申し込みが入ってくることがあります。
見込み顧客からの指値が入るたびに、「仲介会社から売主様に連絡→売主様が検討→仲介会社に返答」というプロセスを繰り返すと、タイムラグが発生してしまいます。
これを防ぐため、指値があった際の値引きのボーダーラインを仲介会社と事前に話し合っておくとタイムラグをなくすことができ、見込み顧客が他の物件に流れることを防ぐことができます。
売却中は、賃貸物件の清掃をマメにしよう
賃貸物件を売却中には、見込み顧客が現地を訪れることがあります。
このとき、物件の周囲に廃品が置かれていたり、共用部分が荒れていたりすると、「物件管理がしっかり行われていないのではないか」といった悪印象を与えます。
特に、現地調査を行う見込み顧客は本気度が高く、契約に結びつきやすいといえます。
そのような顧客を逃がさないよう、賃貸物件の売却中はいつも以上に建物周辺や共用部分の清掃に配慮する必要があります。
定期清掃を管理会社に委託している場合は、物件の周囲を確認してもらったり、念入りに清掃してもらったりするとよいでしょう。
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この記事の監修者
谷 和範(株式会社さくら不動産 代表取締役社長)
- 宅地建物取引士/
- 賃貸不動産経営管理士/
- おうち売却の達人
大手不動産フランチャイズチェーンに19年間勤務後、株式会社さくら不動産を創業する。現在SUMiTAS北見店を運営。対応分野は、不動産売却・住み替え・相続・賃貸・管理・不動産コンサル。対応エリアは北見市、網走市、美幌町。
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