賃貸経営の出口戦略 売却価格の正しい考え方とは

賃貸経営の出口戦略 売却価格の正しい考え方とは

物件売却に欠かせない知識不動産価格には4つの種類がある

売却価格の正しい考え方とは

「賃貸住宅の不動産価格」と一口に言っても、①査定価格、②相場価格、③売り出し価格、④成約価格の4種類があります。

これらを混同してしまうと、不動産会社や買主とのコミュニケーションが上手くいかず、売却活動が妨げられる可能性があるため注意が必要です。

それぞれの価格の概要は以下の通りです。

 

①査定価格

各不動産会社が「様々な算定の結果、これくらいの金額で売れるだろう」と見積もった金額です。

査定価格の算定には、いくつかの方法があります(詳しくは後述)。

②相場価格

「過去の取引事例に基づくと、これくらいの価格で売れるだろう」という予想価格です。

査定価格の根拠になることもあります。

③売り出し価格

オーナー様が「これくらいの価格で売りたい」と希望する価格です。

賃貸物件の場合、値引きを想定して少し高めに設定されることもあります。

④成約価格

実際に売買取引を行った価格です。

この成約価格が決まることで利益確定ができます。

 

査定価格を提示されたらその根拠を不動産会社に確認しよう

このように、不動産価格には4つの種類があることを認識していれば、査定価格や売り出し価格を高くしても「成約価格が安ければ意味がない」ということをご理解いただけるはずです。

そのため、仮にオーナー様が想定していたよりも高い査定価格を提示されても、「この査定価格の根拠は何か」「この査定価格で売り出して本当に反響があるのか」を不動産会社に確認することが重要です。

当然ながら、根拠が不明瞭な不動産会社は避けるべきです。

この確認を怠ると、査定価格と成約価格に大きな差が生まれ「出口戦略に失敗してしまった」という結果になりかねないため注意しましょう。

 

物件の売り出し価格は適正価格で設定することが重要

賃貸物件の売り出しにおいて欠かせないのは、「高い価格ではなく、適正な価格を設定すること」です。

もちろん、私たちはオーナー様の物件が少しでも高く売れるよう、全力でサポートしていきたいと考えています。

しかし、賃貸物件の買主は、不動産の知識を持っていたり、ご自身で相場をリサーチしたりといったスキルのある方々が大半です。

そのため、相場よりも高い売り出し価格を設定してしまうと、売れ残ってしまう可能性が高くなります。

もちろん、売却期間が通常よりもかかっても構わないので「売り出し価格を意図的に高めに設定したい」という場合もあるでしょう。

弊社ではこういったご要望にも対応できますが、通常はスムーズな売却を実現するために、適正な売り出し価格の設定をおすすめします。

 

賃貸物件の価値を算定する3つの方法

次に考えたいのは、「賃貸物件の適正価格とは具体的に何か」ということです。

実際には、「これが正解」という査定価格、相場価格、売り出し価格はありません。

一般的には案件ごとに、以下の方法で価格を算定することが多いです。

 

①過去の取引データを参考に算定

②土地や建物の資産価値を基に算定

③将来、見込まれる収益性を基に算定

 

住居用の物件の場合、①の相場や②の資産価値を重視します。

一方、賃貸物件の場合、これに加えて③の収益性を考慮して価格を検討するのが一般的です。

 

③の収益性を基にして物件価格を算定する方法は「収益還元法」と呼ばれます。

これには、「直接還元法」と「DCF法」の2つの方法がありますが、一般的に広く用いられているのは直接還元法です。

その計算式は以下の通りです。

 

不動産価格=年間の純収益÷還元利回り

 

①~③のうち、どれを重視して査定価格を算定するかは不動産会社によって異なりますが、いずれにしても、正確なデータや算定方法に基づいているならば広義の適正価格と言えるのではないでしょうか。

オーナー様ご自身で相場を手軽に調べる方法

前述の通り、適正価格には正解がありません。

そのため、オーナー様ご自身が、売り出し価格に問題がないかをチェックする手段を持っていると安心です。

 

賃貸物件の相場を手軽に調べる方法として、以下の3つが挙げられます。

 

①不動産投資サイトで調べる

賃貸物件の相場を調べたい場合は、一般の総合不動産サイトではなく、不動産投資サイトを利用するのがよいでしょう。

所有物件に近い条件(沿線や駅、物件タイプ、利回りなど)をサイト上で設定すると、類似物件の販売価格(売り出し価格)を確認できます。

ただし、サイト上に表記されている販売価格は、実際の成約価格ではなく希望価格である点に注意しましょう。

 

②レインズ・マーケット・インフォメーション

賃貸物件の収益性ではなく、資産価値に基づいた相場を知りたい場合は、レインズ・マーケット・インフォメーションを利用する方法があります。

レインズは不動産会社(仲介会社)だけが利用可能なシステムですが、一般の方向けにカスタマイズされたWEBサイトがレインズ・マーケット・インフォメーションです。

このサイトでは、マンションと戸建ての成約事例を検索・閲覧できる仕組みになっています。

ただし、土地やアパートの情報は閲覧できません。

 

③不動産情報ライブラリ

②と同様に、資産価値に基づいた相場を知りたい場合は、国土交通省が運営するWEBサイトの不動産情報ライブラリ(旧 土地総合情報システム)を閲覧する方法もあります。

住所や路線、駅名などで土地や中古マンションなどの取引価格を検索・閲覧できます。

 

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この記事の監修者

谷 和範

谷 和範(株式会社さくら不動産 代表取締役社長)

  • 宅地建物取引士/
  • 賃貸不動産経営管理士/
  • おうち売却の達人

大手不動産フランチャイズチェーンに19年間勤務後、株式会社さくら不動産を創業する。現在SUMiTAS北見店を運営。対応分野は、不動産売却・住み替え・相続・賃貸・管理・不動産コンサル。対応エリアは北見市、網走市、美幌町。

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